落語
地元・熊本には娯楽が少なかった。
ぼくが小学生の時、もう名前は失念してしまったがある有名な噺家さんがいらした。
落語なぞ見た事もなかったが、父がぼくを会館へ連れて行ってくれた。
2階席から舞台の高座に座っているその噺家さんを見つめて落語を聞いた。
噺家さんの発する言葉で会場中の大人たちが爆笑していた。
へーこういう職業もあるんだなーと新鮮だった。
それから何かタイミングがある度にぼくは落語に触れる機会を作っている。
笑いの取り方の勉強にも、シナリオの勉強にもなるし、何より単純に聞いてて楽しい。
大学時代に五代目三遊亭円楽さんの「芝浜」をCDで聴いて泣いた時は「え、落語って人を泣かせる事もできるんだすごいな」と。
CD聴いて泣けるのはアルペジオだけだと思っていたぼくはまぁまぁ強い衝撃を受けた。
そして今また落語に触れている。
金原亭 駒平
そして最近大学時代の後輩が落語家の二ツ目に最近昇進したというので見てきた。
金原亭 駒平
演劇演技を専攻していた彼が大学卒業後に出逢った道は落語であったらしい。
久しぶりに会う彼は非常に楽しそうに落語をしていた。
自分の話す事で人を笑わせるのが好きなんだという事がひしひしと伝わってきた。
激励をしたくなったぼくは客席から生卵を彼に投げつけて家路についた。