本番間近


why me? vol.5が約1ヶ月後に迫った。
初対面の方をゲストにお招きしてリハーサルを行った。
このパフォーマンスの性質上、リハーサルも初対面の方と行なう必要がある。
本日のゲストは、12月に上演したvol.4を観劇後、自ら志願してくださったMさんだ。
「へぇ〜リハーサルの相手をしたいなんて、世の中にはとんだ物好きもいるものだなぁ」
という気持ちをグッと抑え、連絡を取り合う。
リハーサルの相手をしていただけるなんて非常にありがたい事である。

 


リハーサル実施


リハーサルは空気作りから始め、
客席に座っていたMさんを舞台に上げ、
Mさんと一緒に芝居を創るとこまで行なう。
つまり本番とやる事は何も変わらない。

物語をMさんと一緒に創作していく過程で
ぼくのなかに違和感が生じた。

非常にやりやすいのである。
スムーズに物語が転んでいくのだ。
過去上演した4度のwhy me?はいずれも産みの苦しみを味わった想い出がある。
しかも難産だ。
あの記憶とは裏腹にとてもサクサクと物語が生み出されていく。

「おぉ、おれ成長してるわ…!」
「こんなおれでも成長できるなんて嬉しいっ」
「それにしても、リハーサルの相手をやりたいなんてどうしようもない物好きだなぁ」

様々な想いが交錯しながらリハーサルを終えた。


フィードバック


リハーサル終了後、Mさんとフィードバックを行なう。

ぼくは達成感と高揚感に包まれながら
「やってみてどうでした?」とMさんに話をふるものの、
内心では自分の成長に喜び
「才能あるなおれ。
ザクとは違うのだよ、ザクとは」
とMさんをザク呼ばわりしていた。

ぼくに話をふられたMさんはこう答えた。

「あそこで私が◯◯って言っちゃうと物語が進まなくなると思ったので、言わなくて正解でしたね!」

ぼくは自分の耳を疑った。

そう、Mさんはどうすれば物語がうまく転がるかを把握しており、それに沿って演技をしてくれていたのである。
成長の実感はぼくの勘違いで、正しくはMさんの手のひらで踊らされていただけなのであった。

「井の中の蛙、大海を知らず」という有名な諺がある。
彼女はザクではなく大海であったのだ。

ぼくは、ちゃんとガンダムを第一話から見てみようと強く反省した。

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