マナティ


『why me?』のスタッフをしてくれるマナティと、ミーティングと称してパフェを堪能した。

マナティはもともと劇団四季に所属しており、歌を愛し歌に愛されている女性である。彼女の歌声は透き通るように美しく、聞いている人の心を浄化する。ぼくも彼女の歌声を何度か耳にしたことがあるが、その度にぼくの身体に巣食っていた悪性の腫瘍が消え、医者が驚愕していた。
ぼくが過去、インプロを始めた頃に同じコーチの下で学んでおり、もうかれこれ10年ぐらいの親交を保っている。

そんなマナティは『why me?』では舞台監督をしてくれている。
舞台監督とは、各スタッフをまとめながら本番前のリハーサルを仕切っていくという超大役。舞台の知識や経験、様々な出来事に臨機応変に対応できる能力などが求められるポジションである。

マナティを知る人は皆こう言う。
「マナに舞台監督なんてできるわけないじゃん」と。

あほたれ、とその人たちに言って回りたい。

幸いにも『why me?』のスタッフは皆優秀でリハーサル時に大きなトラブルに見舞われる事などほとんどない。つまり、通常舞台監督に要求される能力はほぼ不要なのである。
ではなぜ彼女を舞台監督に据えたのか。

ぼくがマナティに求めているのは癒し、もしくはリラクゼーションである。
医者は医療で患者を癒すが、彼女は歌声でスタッフを癒すのだ。
医療知識皆無のナイチンゲール。
そしてそれは彼女にしかできない仕事だ。

『why me?』のリハーサル時、音響さんや照明さんがスタッフワークをしている間、彼女は歌を歌い続ける。
「ちょ、ちょっと静かにしてもらえますか?」とスタッフに言われても、彼女は歯牙にも掛けない。
ビブラートを出し続けるのだ。

そんなマナティも4月15日の『why me?』vol.5で引き続きスタッフをやってくれる事になった。
ぼくはともかく、是非彼女に会いに来ていただきたい。

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