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前回#120の続きはまたどこかで書き記そうと思う。
今日はひとまず明日に迫った『why me?』vol.6について書かせていただきたい。
vol.6
当日劇場に集まった観客と行なう即興2人芝居『why me?』vol.6の開催がいよいよ明日となった。
現時点での集客人数は100名を超えている。
これはぼくの役者人生の中でも1、2を争う数字である。
非常にありがたい事だ。
ありがたい事ではあるのだが、解せない。
なぜこんなに多くの人が集まってくれるのだろうか。
何も決まっていないという事の価値
「役者の長澤が、当日劇場にご来場したお客様の中から1名選んで、その人と即興の約1時間のお芝居をする」
これがこの『why me?』の概要である。
つまり本番に何をやるのか決まっていないのである。
(決まっている事といえば長澤が出演する事のみ。長澤アンチの人にはとても心苦しい事だろう。ごめんね!)
それでも5,000円という決して安くないお金を支払い観にきてくれる方々がいらっしゃる。
一見すると、これは期待への「投資」のように見える。
既存の芝居や映画などと同じように、これから目の前で行われるパフォーマンスに対しての期待料金だ。
しかしぼくから言わせてもらうと、こと『why me?』に至っては「投資」ではなく「ギャンブル」である。
その場で即興的に物語が創造されていくのだ。既存の芝居や映画のように、制作段階で多くのクリエイター達の肥えた目に晒されながらブラッシュアップされていった作品ではない。
奇跡のような作品になる可能性ももちろんあるだろうが、「ドブ見てる方がマシじゃね?」というような作品になる可能性も同じぐらい孕んでいるのは少し考えればご理解いただけるはずだ。
ギャンブル脳なのだ。
明日劇場に来る100名はギャンブル脳の持ち主なのだ。
100人の伊藤カイジが来るのだ。
早くなんらかの施設に入院した方がいいんじゃないかと思う反面、
ぼくは少しでもこのギャンブラー達の期待に応えたいとも感じている。
皆、エンターテイメントに飢えている。
見飽きたものではなく、見た事ないものが見たいと思うのは当然の欲求である。
お客様との即興芝居を見られるのは『why me?』だけだ。
この企画が飢えている人々の胃袋にうまくマッチすれば嬉しい限りだ。
出目がどうなるかは長澤次第という圧倒的に分の悪いギャンブルに虎の子を注ぎ込んだ100名のギャンブラー達に今、感謝と大学病院への推薦状をお送りしたいと思います。
本当にありがとうございます。
明日はお祭りです。
お気をつけてお越しくださいませ。