my birthday
『why me?』vol.6
〜あなたに似ている〜
を終えてぼくは誕生日を迎えた。
本番後の打ち上げの席で、店内が急に暗くなり、奥からロウソクを刺されたケーキが出てきてスタッフ一同
「ひでとも〜お誕生日おめでとう〜!!」
と祝い始めるといったサプライズは特に無かった。
一人で打ち上げ終盤頃ソワソワしたけど全く無かった。
むしろ本番中の失態に対して「長澤くん、あれはダメだよ」と結構ガチめのトーンで皆から指摘された。
the next one
お陰様で36歳になった。
『why me?』を始めて3年目となる。
6度公演を重ねたものの、未だ自分が心から納得いくクォリティには至っておらず、本番が終わる頃には自分の力の無さを思い知るばかり。
ご来場頂いたお客様から頂く感想が決して悪くない事がせめてもの救いだ。
ぼくの敬愛する喜劇王・チャップリンが「あなたの最高傑作はなんですか?」と問われて「next one(次の作品っすね)」と回答したという有名すぎる逸話がある。
昔このエピソードを初めて知った時「いやそれって今までの作品見た人に対して失礼じゃね?」と思ったが、しかし今なら彼の気持ちに共感できる。「次回作をより良いものにする」という気持ちが次の一歩になる。
もしかしたらこの1年間も、自分が心から満足するクォリティには辿り着けないかもしれない。
ぼくにできるのは出会おうとする事だけである。自分の思う「おもしろい」と、「観客の皆さんがおもしろいと思うもの」の最大公倍数を狙い続けていく。
一生に一度でも、自分で「今回は神回だったわ…」と言える時が来るのだろうか。期待はあるものの、その一方で、ぼくの大好きなMr.Childrenの桜井さんが「今回、神曲できました」なんて言ってたらちょっとガッカリするよなぁという気持ちもあったりする。
まぁそもそもまだ6度しかやってない『why me?』で神回を起こそうという考え自体がおこがましいのだろう。
謝意
36年間生き続けてこられたのは、間違いなく『why me?』やぼくの活動を応援してくれた方々のおかげです。
その方々のおかげで即興芝居を続けてこられたし、
即興芝居が無ければぼくはこの世に生きる意味を見出せたかどうかわかりません。
この場を借りて御礼申し上げます。
本当にどうもありがとうございました。
今後も『why me?』をより良い作品にしていく事で恩返しとさせてください。