前回までのあらすじ
大学を卒業した途端に親からの仕送りが打ち切られた長澤はあまりに貧乏すぎて、歴代のプレイステーションを購入した事により蓄積されていたTポイント8万円分で生活していた。
光明
そんな貧乏なぼくの口座にある日、いきなり50万円という大金が振り込まれていた。
「なに、この大金、怖い。怖くて使えない」
と、普通の感覚ならなるところだろう。
しかしその時のぼくは違った。
貧すれば鈍するとはよく言ったもので、お金がないと人は荒むしまともな思考も困難となる。
あまりに貧乏すぎるぼくは
「なんか知らんけどラッキー!」
となんの疑いもなくその50万円を懐にしまった。
奨学金や国民年金など、各方面から届いていた多種多様の督促状を片手に、そしてもう一方の手には50万円を握りしめコンビニへ。
バッサバッサと支払いを済ませた。
「恐るものなど何もない。我は国に税を納める者よ!」
納税者でいられる悦に浸っている瞬間、電話が鳴る。
父からであった。
「50万届いたか?」
と第一声。
どうも父の税金対策により振り込まれたものであるとのこと。
(詳細は忘れてしまった)
「それ自由に使っていいから」と父。
今年またこれに近い強運がぼくを待っているらしい。
父とはもう数年連絡を取り合っていないがいつ着信があってもいいように、時間がある時はスマホの前で体育座りで待機しているぼくだ。