師走入り


12月に入って早3日が経った。

先月から、年末の大掃除に向けて断捨離を徐々に進めている。今年、意を決して大量に捨てる事にしたものがある。
本である。恥ずかしながらぼくの部屋には多数の積読(=購入したものの、いつか読
もうと机に積んでおく本)があった。

いつか読もういつか読もうと思っているものの、何か事あるごとに本屋へ足が向き新しい本を購入してしまい、なかなか読む機会がやってこない積読本。
購入当時はその時代を論評していた本でも、時が経つと情報の鮮度が落ちてしまう。わざわざ今それらを読む必要と時間がどこにあろうか。
読んでいない本が部屋の面積を占める事の愚かしさに目を背け続けていたがとうとう正面から向き合う事にした。

小説・新書・図鑑・漫画…。
さまざまな種類の本がバラエティ豊かに揃っている。
その数およそ200。
200冊の本をぼくは捨てる事に決めた。

200冊…。

1冊の本を平均1,000円で購入していた場合、20万円を捨てる事と同義だ。大金である。


悪癖


そもそもぼくには、本屋へ行き欲しいと思った本があるとすぐに購入してしまうという悪癖がある。
1. タイトルを読み
2. 目次を読み
3. 知的好奇心がくすぐられれば
購入するという流れなのだが、これら一つ一つのハードルが恐ろしく低い。自分で言うのもなんだがハードルの役割をなしていない。アスファルトに咲いている花ぐらいの感覚だ。

また、購入した本を全て読むならまだ救いようがあるがそうではない。加えて、それを理解した上で過ちを繰り返してしまうのだからタチが悪い。

ヨハネス・グーテンベルクが活版印刷機を発明するまでは、本は上流階級だけが楽しめるものであり、身分の低い者たちには無縁の存在だったと聞いた事がある。
この身分の低い人がきっとぼくのご先祖さまなのだろう。
前世で読めなかった活字の分まで現世で読み漁ろうという魂胆が見え見えだ。そしてぼくはそのご先祖さまの願望に応えられていない不良子孫だ。


断捨離後


断捨離を終え、これらの本が手元から無くなってから何か困った事があったかというと、全く無い。
むしろ部屋がすっきり片付いて良い気分になった。
これならきっとご先祖さまも許してくれるだろう。

若干余裕の生まれた本棚や広くなった部屋。
居心地がよいものだ。

しかしやはりこれだけ捨てると
「ちょっとぐらいなら…」
とまた本屋へ足を向けてしまう。

来年こそは…
いや、再来年こそはこの悪癖を改善したいと思う。

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