ワークショップ(WS)


5月に入った。

今年1月から始めた
「60分間の即興2人芝居を行なうためのWS 初級コース」
も今月でいったんおしまいとなる。

毎回、初級コースの最終月は
「中級コースへの昇格試験」
を行なっている。

試験といっても内容はさほど難しいものではない。

自分の番に共演者を選び
ノンストップで10分間の即興芝居を演じてもらう。
終了後、それを観ていた他の参加者に
「この人のパフォーマンスを1,000円払っても観たいか」
と尋ねる。
この質問に対し、1人でも「yes」の人が存在すれば合格である。

これは10分間の即興芝居の内容もさることながら、
いちパフォーマーとして魅力的である事が求められる。

“魅力的” という言葉は抽象的なので、パフォーマー各自で好きに咀嚼してもらっている。各々が考える “魅力的” を体現してもらう形になる。

いずれにせよ、10分間のシーンの出来不出来はそこまで重要じゃないという事だ。

ぼく個人からすれば、皆 中級コースに進んでいただきたいという想いはあるものの、昇給するかどうかはぼくの一存では決められない。

ちなみにたとえ不合格でも同月内であれば何度でも試験にチャレンジする事ができる。1回きりのチャンスにしないのは、何が悪かったのかを自分で気づき修正し実践する為だ。

 


試験を設けた理由


中級コースへの昇格試験を設けたのには理由がある。

パフォーマーである以上、
どんな遊び心もクリエイティビティも
お客さんの前で発揮できなければ意味を成さないからである。

お客さんがいるという事は当然、一定の緊張感が発生する。

この緊張感とどう付き合っていくか、というのもパフォーマーたる者、切っても切り離せない問題だ。

楽しいだけでは超えられない壁がある。
楽しいだけではお客さんに感動は与えられない。
くだらない事、ばかばかしい事をして楽しんでもらえるのは知名度抜群のトップスターだけだ。
インプロならそれが許されると勘違いしたイタイ人達をぼくは何人も知っている。

ぼくのWSでは「即興で創る “芝居”」と口酸っぱく繰り返している。「インプロではない」の隠喩だ。

「インプロ」が好きな人は「インプロ」を行えばいいと思う。
がぼくはそうじゃない。
「インプロ」と呼ばれるものと、明確に一線を引く。
似て非なるものだとこれからも声高に言い続けていく。

それでも興味を持ってぼくのWSに参加してくれる人達には
可能な限りすべて共有していきたい。

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