スケジュール帳
2月に入った。
2021年になって1ヶ月経ったが、今年のスケジュール帳として購入した手帳を今なお気に入っている。
MOLESKINEの、星の王子さまデザインの手帳である。
(1日1ページのやや厚みのあるタイプ)
星の王子さまデザインにしたのには理由がある。
“自分の本棚にある本をすべて読む” という目標を、ぼくは昨年後半から自らに掲げ実行している。恥ずかしながら、ぼくの本棚には買った事で満足してしまい目を通していない本が何冊もある。いわゆるジャケ買いというやつだ。
※ジャケ買い※
・・・CDや本などを購入する際、内容を吟味するのではなく、パッケージや表紙のデザイン等につられて購入を決める事。ジャケット(衣類)を買う際に使用するのは誤用。
【使用例】「渋谷のタワレコでジャケ買いをした瞬間、私と彼女の精神が入れ替わった」
正直、本棚にある本のうち、どれが読了したもので、どれが未読のものかはもう把握していない。そもそも内容を思い出せないのであれば、それは読んだとは言えないのでは無いのだろうか。
そう考えたぼくは本棚にある本を片っ端から読む事に決めた。
そしていくつかの本を読み終えた時、出会ったのが『星の王子さま』だった。
ぼくは学生の頃に初めてこの本と出会っており、この作品をベースにした芝居も上演した経験がある。そのため、思い入れが深い作品であった。
不朽の名作と呼ばれる理由
しかし読み進めてみると、見事に内容を忘れているものだ。
「こんなシーンあったっけ?」「今気づいたけど、これって隠喩だわ。」
等、驚きの連続である。学生の頃、これを読んだぼくは何を思い、何を考えていたのだろう。「絵ぇ下手だな」とか思ってそう。
内容は難解では無いが、読み手の年齢や状況によっていかようにも受け取る事ができるのが名作たる由縁だと感じた。
「いや、マジでこれ読んだ方がいいって。名作だよ。」
「いや、お前今更『星の王子さま」ってお前マジかよ今更お前、ちょ、お前…」
と友人たちからやや強めの顰蹙を買いながらも布教活動をしていたそんな折、ぼくの大好きなLOFT(雑貨屋)でこの手帳と出会ったのだ。
その瞬間、小田和正『ラブ・ストーリーは突然に』のイントロがぼくの中で流れたのは言うまでもない。
ぼくとサン=テグジュペリは2021年の1年間を、共に歩む事を決めた。
病める時も健やかなる時も、ぼくとテグジュペリは離れないだろう。